柔よく剛を制す
【寸評】
阿形・吽形」の最速左腕コンビが席巻する中、ひっそりと同一リーグに移籍したベテラン左腕がいた。
35歳の彼は社会人出身のプロ12年目。
特に目立った活躍などなく敗戦処理・ワンポイント・谷間の先発…便利屋だが実績は二流半。
在籍したチームは過去4チームは全てBクラス。
11年目のオフに戦力外となりトライアウトを受ける。
子供が3人、1歳の下の子に何とかプロで投げている姿を見せたい。
男の意地を感じたあるチームが彼の獲得する。
投手コーチは「秋季キャンプと自主トレの時間を俺にくれ。必ずお前を使えるようにする。」
コーチの言葉に彼は年末年始の恒例の家族旅行を封印してトレーニングに臨む。
翌年のオープン戦で先発として十分なアピールを見せると、開幕一軍を初めて先発ローテで迎える。
開幕2戦目の抜擢に「戦力外を2戦目に使うとは今年も先発は…」と不安がるファンをよそに彼は6回無失点で勝利を飾る。
「こんなにリズムよく守れるピッチャーは初めてですよ」とチームメイトの牛若丸・上西は語る。
そこからは快刀乱麻の投球で開幕から8連勝、防御率は1点台を維持する。
阿形と吽形の最速左腕が注目される中、黙々と結果を上げ、彼の活躍に周囲が騒ぎ出した頃には投手三冠で二人と争う活躍を見せていた。
最速は144キロのサイドスロー左腕はスライダー・パームボール…そしてコーチと二人三脚で取得した新球種のシュート。
これにより投球幅が広がり、またリリースポイントをコーチが修正した事により制球が低めに決まり、腕の振りもストレートと変化球が変わらず、パームボールは更に落差を増し打者を幻惑させた。
世間が3人の左腕投手のタイトル争いに注目する中、最終戦での直接対決、相手チームは【阿形 吽形】にタイトルを取る為に二人をリレー方式で登板させる。
だが彼に投手三冠をとらせるべくチームは一丸となる。
チームメイトの大戸が【阿形 吽形】からそれぞれ防御率を崩すホームランを2打席連発する。
「エラーして勝ちを消した日に先輩は飯に誘って励ましてくれたんです。何とかタイトルを取らせたかった」by大戸
圧倒的な【阿形 吽形】の二人は結局彼から一つもランキングで上回れなかった。
【査定について】
リリース○ 低め○
「またリリースポイントをコーチが修正した事により制球が低めに決まり、腕の振りもストレートと変化球が変わらず〜」
という記述から
勝ち運 防御率の割に負けが多い気がしなくもないですが最多勝ボーナスでつけました。
【筆者の一言】
リクエスト案件。しばらく架空選手の記事が多くなるかもしれません。
リクエストはこちらまで↓
漆さんLOVEのお題箱 (@URSIHALOVE) | お題箱
参考資料